FP試験について

登録後継続教育研修

継続教育研修とは?

 「そもそも、継続教育研修って何?」「どうして研修を受けないといけないの?」という声が、よく聞かれます。その理由をさぐっていきましょう。2級FP(ファイナンシャルプランニング)技能士検定試験に、合格後、日本FP協会に登録することにより、AFPまたはCFPが授与され、日本FP協会からライセンスカードが発行されます。それぞれの資格には、2年ごとに更新が必要になります。これを「資格更新制度」といいます。資格更新制度では、2年間に、AFPは15単位、CFPは30単位の継続教育をクリアすることが義務付けられています。なぜかというと、FP(ファイナンシャルプランナー)に関わる世界は、めまぐるしく変化しつつあります。日々精進していかなければ顧客(クライアント)のニーズに応じられません。だからこそ、継続教育は、FP(ファイナンシャルプランナー)として必要不可欠な知識・技能・能力を向上されるための研修となっています。

継続教育研修単位取得法

 「しかし、どうやって単位を取得していけばいいのか?」と解らない方はいると思います。どのような方法があるか見ていきましょう。

①会員に送られる「FPジャーナル」誌面での問題/受験による単位取得という方法です。これは、日本FP協会の会員におくられる雑誌内になる問題を解いて、合格する必要があります。

②インターネット、ホームページでの問題/受験による単位取得という方法です。これはWeb上で出題された問題を解いて、合格する必要があります。

③日本FP協会の各種FPセミナーの受講による単位取得です。これは、各都道府県にあるFP協会の支部が、研修のためにセミナーを開催しています。受講すると、自動的に単位取得になるため更新手続きは不要になります。

④認定教育機関のよるセミナー等で、日本FP協会が単位を認めたものです。これは、認定教育機関で、開催しているセミナーを受講して単位を取得します。更新手続きは必要です。

⑤地方自治体・公益団体・マスコミ等公的機関のFP関連研修会です。これらの公的機関で受講すると、他の専門家や知らない情報などを、出会う、収集することができ、知識だけではなく、行動範囲も幅広くなります。多いに活用しましょう。

AFP資格更新に必要な継続教育研修の単位取得方法とは?

 AFP資格に登録すると、取得方法が記載されているパンフレットが届きます。そこには、更新の仕方から単位要件までの説明が記載されています。AFP資格の必要単位は、15単位以上で、取得には一定の制限があります。「FP実務と倫理」は、必修ですので、必ず、履修しなければなりません。さらに、幅広い分野を学習するという観点から、「金融資産運用設計」「不動産運用設計」などの6課目のうち、2課目以上、「FP実務と倫理」を併せて、3課目以上を履修することが条件となります。

必要な単位を取得できなかった場合は?

 日本FP協会の会員になると、どうしても気になるのは、単位だと思います。「もし、単位を更新することができなくなったらどうしよう」と不安になるでしょう。継続教育研修の単位取得が規定に達しなかった場合は、資格更新手続きをすることができません。したがって、日本FP協会の認定資格を失うことになります。ただし、失った場合でも、再認定の条件を満たすことで改めて認定を受けることができます。

 しかし、CFPの課目合格者の場合、課目合格履歴は、すべて失います。

認定教育プログラム

これまでは、CFP試験(正式名・CFP資格審査試験)において6課目すべてに合格していれば、「CFP」の称号を得ることができました。しかし、2006年11月から、6課目すべて合格した方を対象に、認定教育プログラムを受講するよう義務付けられました。では、さっそく、認定教育プログラムの手順をみていきましょう。

CFP資格審査試験合格までの手順

 CFP資格審査試験を受験するためには、日本FP協会にて、AFP登録、ようは、認定者として、正会員になること、また、日本FP協会で認められた、大学院で、所定の単位を取得することが受験条件となります。ただし、日本FP協会が認めた大学院で、受験資格及び課目合格は、課程終了後7年以内に、6課目すべて合格していない場合、受験資格及び課目合格は、失効します。ようするに、失うことになります。そのことをふまえて、金融資産運用設計」「不動産運用設計」「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」「リスクと保険」「タックスプランニング」「相続・事業承継」の6課目すべて合格して、「CFPエントリー研修」へと進みます。

CFPエントリー研修

 CFP資格審査試験6課目すべて合格すると、「CFPエントリー研修」を受講しなければなりません。「CFPエントリー研修」は、東京・大阪をはじめ、各地方都市で、年2回実施されます。エントリー研修は、申し込み後に、送付される教材を利用した「通信研修」と、各都市の会場に集合して受講する「集合研修(1日)」の2つを組み合わせて構成されています。集合研修では、「メンター」という書類・筆記・実技の厳しいプロセスを経て、公募で選ばれた講師が指導します。「メンター」の正式な意味は、メンターの語源とされている「メントール」という名の老賢人で、ギリシャの詩人ホメロスの叙事誌、「オデュッセリア」に登場します。メントールは、王の息子の助言者を務めた賢人で、良き指導者、良き理解者、良き支援者と言われています。一方、受講生を「メンティ」と呼びます。集合研修は、9時から17時と丸一日かけておこなわれます。最初は、「CFPエントリー研修ガイダンス」をおこない、次に「6つのステップとコンプライアンス」という講義を受けます。午後からは、ロールプレイングを2時間を2事例=4時間実施し、メンティ(受講生)が、FP役と相談者役に別れ、2人1組でおこないます。ロールプレイング終了後、メンターがメンティにアドバイスをし、メンター自身がお手本を見せます。「集合研修」が終わったら、あとは、経験要件を満たすだけです。

CFPになるための実務経験要件

CFPエントリー研修を受講・修了すると、いよいよ実務研修を満たすだけです。経験要件の対象期間は、試験合格前10年から合格後5年とされています。すでに、3年以上の実務経験を満たしていれば、CFPとして認定されます。では、どのような、経験を積む必要があるのか?経験要件には、2つあります。
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 1つは、FPの6つのステップのうちいずれかの経験、もう1つは、実務経験として申請できる事項で、併せて3年以上、必要となります。それぞれを具体的にすると、FPの6つのステップでは、①顧客との関係確立とその明確化②顧客データの収集と目標の明確化③顧客のファイナンス状態の分析と評価他3つの経験を、「実務経験申請書」に基づいて自己申告をします。

 もう1つの、実務経験として申請できる事項の具体例は、①指定した大学院の修了は、2年を上限として経験要件に積むことができる他に3つの申請できる事項があります。

CFP資格審査試験

世界を代表するCFP資格を取得するには?

 CFPとは、NPO法人日本FP協会が認定している日本国内における唯一の国際資格です。野球で言えば、アメリカの大リーグ選手にあたる「メジャー」資格にあたります。では、CFPになるためには、どうすればいいのか?試験に合格することが、前提となりますが、受験資格には条件があります。まず、日本FP協会にて、AFP登録、ようは、正会員になることが条件となります。また、日本FP協会で認められた、大学院で、所定の単位を取得した者に受験資格が与えられます。ただし、20歳未満は受験できません。

 受験条件をすべてクリアしていると、受験することは可能です。CFP資格に全課目合格すると、日本FP協会が主催しているエントリー研修を必ず受講しなければなりません。エントリー研修は、必ず、受講しましょう。受講後、3年間の実務経験をクリアしないといけません。すでに、3年間の実務経験をクリアしている方は、CFPの登録をすることができます。世界最高峰を目指したい方は、挑戦してください。

試験の特徴

 FP(ファイナンシャルプランニング)技能士検定試験と違い、学科試験・実技試験はなく、課目ごとの試験となります。課目は、「金融資産運用設計」「不動産運用設計」「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」「リスクと保険」「タックスプランニング」「相続・事業承継」の6課目で構成されており、一課目ごとに4択問題で全50問となっています。

試験問題は、4択マークシート形式で、時事問題から資料の読み取り問題、事例形式の問題などが多岐にわたって出題されています。中でも、計算しなければならない問題が、半分ほどしめています。しかし、それぞれの課目ごとに問題の流れが違うため事前にチェックしましょう。また、マークシート形式のため、記述や論文形式の問題はありません。

出題傾向

 CFP試験は、難問中何%以上のという基準がなく、年・課目ごとによって異なります。異なるということは、合格率が高い年もあれば、低い年もあります。CFP試験は、全課目において、計算問題は、必ず出題されます。例えば、「年末の給料時に配られる源泉徴収表」や「生命保険の契約書(証券)」「土地の図面」「個人資産の収支表」などの資料を読みながら、計算問題を解いていき、マークシートをすることになります。しかも、問ごとに事例形式になっているため、それぞれの問の最初の問題で計算を間違えると、後に響くため、読解力と最新の注意力は必要とされます。

CFP試験対策ポイント

 CFP試験は、学科よりも実技形式で出題されるため、計算をすばやく解けるスピード力を見につける必要があります。また、試験時間は、120分(2時間)です。しかし、その時間内に解ける方は、意外と少ないです。大半の方は、ギリギリまで解きます。

各課目ごとの対策ですが、「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」は、時事問題が出題されます。そのため、日ごろから、新聞等で情報収集を心がけましょう。「リスクと保険」・「相続・事業承継設計」・「タックスプランニング」は、個人の保険や税金(所得税・住民税)だけではなく、法人に関する保険や税金(法人税)、親が子へ会社を引き継ぐ(事業承継)ことや株式・不動産の相続についての事例問題や計算問題が出題されます。「不動産運用設計」は、土地に関する問題が、年によっては、多く出題されます。「金融資産運用設計」は、為替や株など、金融商品に関する計算問題が出題されます。

AFP・2級FP技能士

プロ資格であるAFPになるためには?

 AFPとは、NPO法人日本FP協会が認定するFP資格であります。野球で言えば、日本のプロ野球選手にあたる「プロ」資格であり、そこからCFPという世界資格、野球で言えば、アメリカの大リーグ選手になるための資格を目指します。

 しかし、AFPになるためには、いくつかの門を通らなければなりません。まず、日本FP協会が認定している、認定教育機関にて、AFP認定するための研修を受講しなければなりません。受講期間中に、提案書という課題レポートを作成します。合格基準は60点以上(100点満点)でありますが、合格点を満たない場合でも、多くの認定教育機関では、修正・再提出を認めています。提案書を提出し、合格すると「AFP認定研修修了証明書」が発行されます。これで、2級から受験される方は、2級の受験資格を得られます。2級FP技能士検定試験に合格し、日本FP協会に登録手続きをすると、AFPとして認定され、プロとしての第一歩をふむことになります。

試験の特徴

 3級の試験と比較して、出題形式は、様変わりします。学科試験は、4択問題で全60問であり、全6分野から10問ずつ出題され、文章問題がほとんどであります。試験を主催している団体が2つあり、「日本FP協会」か「金融財政事情研究会」のどちらかで受験しても同じ問題が出題されます。ここでは、日本FP協会主催の2級試験についてのみ、解説します。

実技試験は、さまざまな記述問題が、40問出題され、各分野から時事問題や飼料の読み取り問題、事例形式の問題など、多岐にわたっており、出題形式も空欄補充問題、4択問題、〇×問題、計算問題などいろいろな形式で出題されます。計算過程の記述や論文形式の問題はありません。

出題傾向

 学科試験と実技試験では、ほとんどのケースで学科試験の方で難易度が極めて高く、合格率も低くなっています。学科試験は、年々難化傾向にあり、CFPで出題される問題も、たまに、2級試験で出題されます。しかし、2級レベルの問題を確実に正答すれば、合格が見えてくる内容であります。4択問題が中心でありますが、長文も多く、正答を導き出すためには、読解力や細心の注意力が必要とされます。

 一方、実技試験は、毎年のように出題形式がパターン化されており、基本的な知識で解ける問題がほとんどであります。また、「年末の給料時に配られる源泉徴収表」「生命保険証券」「登記簿」に代表される資料の読み取り問題など、生活に役立つ内容も多く見ることができます。

学科試験対策ポイント

 学科試験は、タダ単に、知識を頭に入れるだけでは不十分であります。知識を入れるとともに、問題演習を解くように心がけましょう。年々難しくなってきている学科試験は、過去問を解くだけでは合格することはできません。確実に基本的な知識をおさえていく必要があります。たとえ、「ひっかけ問題」が出題されたとしても、基礎知識をおさえておけば、解ける問題がほとんどであります。注意力を高めるとともに、問題に慣れることが合否の分かれ目であります。

実技試験対策ポイント

 実技試験は、とにかく、試験時間内(90分)に解くことが重要であります。そのためには、全問題を解答できるスピード力をつける必要があります。模擬試験や過去問題などの演習を通じて、時間配分を考えましょう。合格するための近道として、学科試験と並行して勉強することであります。基本的部分は、十分に抑えられます。

3級FP技能試験検定

FP技能士とは?

 FP技能士(ファイナンシャルプランニング技能士)とは、2002年に厚生労働省が、技術向上のために、認定された資格であります。野球で言えば、「アマ」の資格であり、そこからAFP・CFP等の「プロ」を目指します。試験は、プロの本元である「日本FP協会」とアマの本元である「金融財政事情研究会」の2団体が実施しています。なお、日本FP協会では、3級、1級の学会試験は、美実説であります。どちらの団体で受験しても、学科試験と実技試験の両方に合格すれば「FP技能士」として認定されます。レベルは、3級から1級まであります。

試験の特徴

FP技能士の試験には、「学会試験」と「実技試験」の2つの試験があり、両方の資格を合格しなければ、「FP技能士」になることはできません。そのため、「学科試験」、「実技試験」両方の試験合格を目指す必要があります。まず、スタートラインである3級試験の特徴を見ていきましょう。

 3級の学科試験は、2択問題(〇×式)と3択問題で、合計60問、実技試験は、事例形式の3択問題で15問(5事例×3問)出題され、それぞれ60%以上の正答で、合格することができます。学科試験は、文章中の空欄に正しい語句・数字をあてはめる問題であります。実技試験は、ほとんどの場合、「リスク管理」以外の5分野から1事例ずつ出題され、各事例に基づいた文章問題や計算問題が出題されます。

出題傾向

 学科試験と実技試験では、ほとんどのケースで、実技試験の方が、難易度は高めであります。学科試験は、2択と3択の選択式になっており、かつ、60%以上の正答で合格する必要があるため、合格率は非常に高くなっています。しかし、ここ数年、2級・CFPレベルの問題が出題されているため、注意しましょう。3択問題は、基本的な数字や専門用語を答えされる問題が中心であります。

 実技試験は、基本的な知識を事例に沿って答えていく力を試すものとなっています。そのため、合格率は、各回によってかなりバラツキがあります。主に、どのような事例で出題されるかといいますと、「老後に夫婦が、どのような年金が支給され、いつからもらえるのか」、「サラリーマンの所得税は、どのようにして計算するのか」、「相続税は、どのようにして計算するのか」など、暗記だけではなく、思考力が問われています。

学科試験対策のポイント

 学科試験の場合、難問レベルを解けるようになる必要はありません。基本的な知識さえ、しっかりと身につけていれば、合格ラインに達します。とにかく、基本的知識を何度も、繰り返し繰り返し、覚えるよう心がけ、重要な数字や用語をインプットしましょう。繰り返し覚えたら、過去問を使って、同じ問題を、何度も繰り返し、解きましょう。なお、「ライフプラン」「リスク管理」「金融資産運用」「不動産」では、「タックスプランニング」で学習する所得税の知識が問われます。所得税は、必ず頭に入れておきましょう。

実技試験対策ポイント

 実技試験の場合、とにかく計算問題が事例ごとに出題されます。特に、(タックスプランニング)で学ぶ、所得税の計算問題が、「不動産」とかに出題されることもあります。また、相続に関する税も、回によっては、難易度が高い計算問題として、出題されることもあります。いずれにしても、事前に対策をする必要があります。問題集や過去問を使って何度も繰り返して、解けるように準備をしましょう。


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